RECORD

Eno.599 亜久津 魔沙兎の記録

いつかの記録

ガタゴトとデコトラが揺れて走っている。
荷物置き場で寝ているもう一人の『相棒』を気にかけつつも、
助手席で後ろを気にするオレに運転手の『相棒』は声をかける。

「大丈夫だマサチャン、アイツ等ももう追う体力はないだろう」



「だといいんだがな…クソ、好き勝手改造だけして自滅しやがって」



「気持ちは分かるけどね、僕だって怒り散らしたい気持ちは同じだよ」



「もはや『同胞』は僕等しか残されていない」



「それを知った余所者にまた『兵器』にされるのは嫌だろう?」



「僕は君達とだけでも平和な暮らしをしたいんだよな」



「…出来ると思ってんのか?」



「やってみなきゃ分からないだろう?」



ーそこから数十年、あちこち転々としつつオレ達はそれなりに平穏にやってきた。
 でもな、時々思うんだ。

ーきっとそのうち、平穏って終わるんじゃないかって。