RECORD

Eno.395 ファリーダの記録

ファリーダへ

手紙、ありがとうな。
件の吸血鬼にやっと会えた。まあ、手応えは無かった訳だが、譲渡は不可能ということが分かった。これだけでもいい情報だ。

…と、それはそれって奴で……話すよ。ファリーダはなにより、ゼノに驚かなかった。あ、《ゼノ》ってのはあの黒い竜の事だ。

俺の中には現在、2匹の竜が存在している。コイツらはそれぞれ、《源星の竜》……あるいは《ワイヴァーン》と呼ばれた、俺が元々いた世界の浄化機能の1つ。まあ、もっと簡単に言えば人類を滅ぼす為の殺戮竜だ。

黒い竜…お前が見た赤い目がさっき書いた通り《ゼノ》と呼んでいる竜。実際なら相当なサイズらしいぜ。
そしてもう片方…姿こそ見せなかったが、氷の鏡…氷鏡を操っていたのが《シャチ》。ゼノと比べて逆に小さい。ペットのうさぎサイズだ。

俺が不老不死を求める理由…妻を看取る、それとは別に星源の竜の封印が目的だ。コイツらは死なない。不滅って奴だ。だが俺はいずれ死ぬ……なんならお前たちより、ずっと寿命が短い。正直な話、もう5年も生きられるとは思ってない。
これは俺の生い立ち上仕方ない事だが、それと竜は話が別だ。俺の死後、コイツらがどうなるか分からないんだ。だから、不老不死になれば、不滅のコイツらが俺の外から出ることは出来ないはず。

だからこそ、俺は不老不死を求めてる。でも、それが正しいかは、まだ分からない。
また遊びに来てくれ。お前は、妻に似て一緒にいると楽しいんだ。