RECORD

Eno.282 マキの記録

走り書き――夜明けの間引き

 
掃除強制追い出しの少し前に来た人が、話していたこと

どこかで話している剣闘士と同じ時間に、同じ姿の連中がいる

悪いことに現在進行形で数が膨れあがっている。


「……乱闘にでたら」
「マキがいない時でも戦い方を真似して再現したものが出るってきく、けど」

自分の影が闘っていると考えられなくもないねっ。
それを花と呼んでいるのかなー?


そう、そういう連中だ

いわばドッペルゲンガー、ないしはスワンプマンじゃないかと睨んでいるが……
増えすぎるとこっちにとっても面倒だから、間引きをしてるんだ


放置していたらいつの間にか本物に"成り代わる"


それが沼男スワンプマンらしい

「……アリーナで出てくるのは、戦う相手がいない、
 なんてならないための仕組みだと思う、けど」

試合がなければ観客がつまむ食べ物は売れない
観光資源を安定して供給するためのシステム

「アリーナ以外にいたら、怖いかも」

成り代わりが目的ならまだ手易しい

そいつらは、断ち続けているといずれ学習もする
挑んだ者を負かせるために……と言った感じだな

そして挑んだ者が負けると、場合によっては挑んだ者の複製もまた現れる
その繰り返しだ。だから増えすぎる
その手法で自身の熱量を増やして襲撃してくる手合いを俺は知っていてな


「だから、花」

芽のうちに、咲く前に、間引きする

そこで掃除のために追い出されたけど

知らないうちに、って言うのは他の人が気づかないうち、だと思う
成り代わるなら本物は消える
……斃される。

そして私じゃない私が、私のふりをして生きていくなら?
私を警戒していない人を、襲ったら?



……これを書いている私は、まだ本物?


怖い
もし、私が"違う"時は、倒して
気づいたならだれでもいい
でも、できるなら_____に――



(丁寧な字で追記が書かれている)

見分ける方法
・戦うため以外の場所で襲ってくる
・それを説得できない手合い……聞いてくれそうにないモノ
・心配なら、会話をすること。成立するうちはスワンプマンじゃない

じゃあ、まだ、私は大丈夫。

まだ、だから
このページは残しておく。