RECORD

Eno.72 Rere Pia Goetheの記録

(12)預言と■変

バチバチひゅんひゅんの未来が見えた日から、俺はなんとなく人目がない場所を避けるようになった。
あの腐りきっていそうな喫茶店に行かなくなったのは勿論だが、なるべく昼に行動して、人気がある宿を選ぶようにして、10年はそれが続いたかな――要は、裏路地に出るなら裏路地に行かなければいいって算段だ。

けれどじわじわと、しかし確実に資金がきつくなり始めた。
はは、今と同じさ。

世界移動をさせに”あいつ”がやって来るのは気まぐれが9割だがその他は俺がその世界で『詰み』かけた時だ。
今回は金銭面で『詰み』か?でもこれどうリカバリーするんだ?と苦笑いしながら街を歩いていた時。それは突然■■■■。

「あ?」

世界が歪■だ。文字通■、物理的に■
全く■■起こっ■のか分からなかった。嫌に耳に残るノイズ音が辺りを満たした頃。


「――リリ。Rere Pia Goethe」



後■■ら、名前■呼ば■た。”あいつ”かと思った。随分■調が■ていた■ら。
■りむこう■して、で■耳元でノ■ズを切■裂いて聴■■た■は、バ■バチ音で。ゾッ■悪寒が■■俺■動きを止■た。

「貴方を、裁定します」




は?

『悪いこと』■■した覚えは■かった。これっぽっちも。混乱する■の目の前で、世界は崩壊■■け■いく。
■■■入りのメニ■ー表は文■のま■読めな■なり、見■■■通行■の顔が崩■■溶け■。空■落ち、地■は――


  ペタ。



「ひっ」

そこで、あの時は目が醒めた。右眼が酷く熱を持っていた。
見知った景色は確かに寝室の窓向こうに広がったままだった。
安堵すると同時に、”あいつ”をこっちから呼ぶ手段がない事に、恐怖を感じた。


「なんで、どうして、なにが――」

助けてよ、郵便屋……”MayBe.”。

――――――
その”夢”を、何度も見る。
今日も、そう。
何度も、何度も、何度も。こびり付いて離れない。
溺れ死に逝く者が何かを強く掴むように、情報はリリの視界と脳を焼いていく。

もう未来ではないというのに。