RECORD

Eno.42 ファリスの記録

日記1:ヤベェ。

戦うの楽しすぎてついそればっかしてたわ


……どうにも実家にいたころは模擬戦で抑え込めていたものの。
俺だってその気質がやや薄いとはいえ狂戦士の血筋には違いない。

生死をかけた戦いがリスクなくできるとなったら
つい際限がなくなっちまった。

肉を斬り、斬られ。骨を断ち、断たれ。
それだけじゃない、知り得る限りを凌駕する
武術、魔術の応酬の場。

――ああ、2000年以上どれだけ焦がれていたことか。
このように「真剣勝負」が際限なく続く楽園ってやつを。


……かぶりを振った。

「……ったく、本来の目的はそこじゃあねえってのに」


ぼやきながら日記を綴る。

別に戦いに明け暮れることが
目的から遠ざかることじゃない。
むしろ手段でもある。

目的とすり替わるのは問題だってだけだ。

「名を知れ渡らせる」ことが目的なのは、忘れちゃいけない。
いつかあいつの耳に入るように。
だが……

事実は小説より奇なり。
そう言ってもまさか。
そうは思えども、

「あのときあいつに言った気がするけどよ」


「俺って勘が抜群にいいんだよなあ」


その真実は神のみぞ知る。
魔族が言っちゃあおかしいかね?