RECORD

Eno.128 ✧˖°の記録

失われた水都

『水の都スプリルエラ』は、
水の神が最初に広げ作り上げられた原初の海上地と言われ、
沢山の水流の民なる者達が住んでいた。

それはとても綺麗で美しく、毎年沢山の人で賑わうような、
神秘的な場所だったらしい。


だが僕は──その美しい都を、見たことはない。
                   


                 ────その美しい都が滅びたのは、30年前だった。

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「……火元の原因はどうやら悪魔のせいだったらしい、
親しい友人が教えてくれたよ」



「そしてその悪魔は、都の美しさや自由さに『嫉妬』したらしい。
その悪魔は元は、水の神の子でもあったと古文に記されている」

「『嫉妬』なるその悪魔に名を付けるならば、
そうだな……嫉妬の悪魔『エンヴィア』
嫉妬の炎で、水をも消しさる。文字通りの放火魔だね」



「悪魔とは、正を欲する……いや破壊する、闇の神。邪神と言われる物だ。
それは世の秩序バランスを取るために、生み出されるらしい」

「……だが神なる強大な力は、人には普通どうしようもできない」



「だから……とある水エルフの魔術師が、都市ごと『封印』へと持ち込んだ」



「……あまりにも強引で豪快だよ。
魔術師って皆あんな感じなのかな?漆黒の姉さんも、似たようなところあるし。
何処に封じ込めたかは、まあまだ不明だけどね……」




「だが……言えるのは、
封印は消えたとは違う。ただ一時的に抑えただけに過ぎない。
封印が解かれてしまえば、また過ちを繰り返す。つまり、無限地獄さ」

「では悪魔をも葬る力など、何処にあるんだよ?って話だよね。
……リュミエアなら?無理だ。あそこの民は色々と手厳しくてね。光の扱いに厳しいのさ」








「なら、どうしようか」


そこで僕は、とある人と出会った。