なにかがおかしいよ
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RECORD

Eno.72 Rere Pia Goetheの記録

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もしかしなくても、自分は自分のいた世界の未来に来てしまったんじゃないか?
あの〝夢〟の後に導き出されたその結論。伴う行動は自然なもの……だったのかな。

 こんな未来に、行き着かないようにしないと。

この眼について、もっと郵便屋――”MayBe.”に聞いておくべきだった。
俺がやらかしたそのミスは、自然と俺の行動を致命的な方向に向けるモノだった。

まあ、詳しく聞いていてもこうなったんだろうな。今思えば、明らかにこれは仕組まれた罠だった。俺はどうすればよかったんだ?



そうして、その日が来た。



明らかにその未来が示す場所に行かざるを得なくなり、一方通行になった選択に薄ら笑いを漏らし。

「いや、その」

おかしい。明らかにおかしい。
だがこれを選ばないと明日食う飯がない。それに俺は約束をしてて、筋が通らなくて、

「あ」

そうして見えた、世界の歪みと崩壊と――紅の雨。”MayBe.”の右腕が、なかった。食いちぎられたように軍服ごと。インクの様な、しかし他の何かのような、そんなイロのない液体がそこら中に飛び散り、染め上げ、塗り潰し。周囲の、見知った人も見知らぬ人も、ひしゃげてノイズと共に肉塊に戻る。紅には黒を。黒には灰を。そんな悍ましい『料理』の一粒一粒を味わうように、何かよくないものに染まっていく。

その中心。黒の中で蠢く7つの眼は、こっちを見て。
繁茂するノイズ音は急に収束し、俺に囁くんだ。

「お前のせいだ」

違う。俺はこうせざるを得なかった、だけで――ああ、これは助からない。どうしよう、どうしよう、これ、もう、この世界、助からないって。

「――リリ。Rere Pia Goethe」

後ろから、名前を呼ばれた。バチバチと音が煩かった。
なあ”MayBe.”、俺のいた世界の未来って、最後、どうなるんだ。

応えろよ。まさか俺が世界を飛び出したせいとかじゃないよな。

恐怖で喉が引き攣って、何も声が出ない。出したら出したで、そこから己が爆ぜて飛び散りそうな、ギリギリの存在感覚。

黒い化け物が嗤う。また、お前のせいだと口を開く。そこに被せて、ぐちゃぐちゃになった世界を背景に、”MayBe.”も嗤う。

「お気になさらず。……決して、お気になさらずに、ね」

バチバチ音から発せられた「貴方を、裁定します」の声。轟く雷鳴。





ここに来る前、見た景色はそれで最後。

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ああ、また、夢か。夢……、あれ、どっちだっけ。