RECORD

Eno.154 ティセの記録

ラ・ブロカント

ええ、ええ、仰る通り。
宝石で喩えるなら、云わばバイカラーといったところですか。
珍しいでしょう。ウチでもなかなか入ってこない代物だ。

戦災孤児ですよ。
尤も、そのことを当人はろくに理解しちゃいませんがね。
ウチとしちゃ都合が良いってモンです。
下手に暴れられても困りますからねえ、ハハ。


……そうですね。
危険性については、ゼロとは言い切れません。
そもそも彼ら彼女らとはそう・・いうものだ。
我々ニンゲンが種の本能として、
食べること、眠ること、そして繁殖することを魂に刻み込まれているとすれば──
彼ら彼女らは、そこにもうひとつ加わる。

即ち、混沌を。
とびきりの戦乱と戦禍を。
血みどろの闘争。その極限の極致にこそ、至上の甘美を見出す。
彼ら彼女らの生の奔流とは、暴力のさなかにこそ存在するのです。

……混ざりものですからね。
その気質が果たして薄まっているのか、
それとも強まっているのかは、未だ判断が付きませんが。
いずれにせよ、闘争に直面でもしない限り、表層化することはないでしょう。


……なに。この屋敷において、その心配はありませんよ。
共喰いなど起こらぬよう管理していますので。
その上、あれは随分と無垢だ。
だからこそ、より希少なのですが、ね。

それに、しっかりと教育を施させて頂きます。
少し時間は頂戴しますがね。早速、明日から始めるとしましょう。
どうやら随分とご興味を頂いているようだ。
良いお話ができることを、期待していますよ。
それでは。


……──。


……私だ。ああ、新商品の入荷か?
良い仕事だ。早速受け取りに伺おう。
成程、天使の特徴……面白い、悪くないな。
セット販売でも計画してみるか──