RECORD

Eno.246 餓赦髑髏の記録

回顧

埋もれている。
埋もれている。

何に。堆く積まれた骸共に。
瓦礫に。血に水。入り交じって。
息、出来なくて。痩せぎすの躯、みしみしと。

死にたくはない。死にたくはなかった。
理由なんてない。思考巡らせる余地もなかった。故に。
必死こいた指先、泥に塗れながら這い上がらせて。

空仰げば望月、煌々と輝き放っていた。
宵闇に鈍間な暗雲漂えども陰らず。焦茶の瞳灼く程に。

けれど、けれど。一度俯けば。
何処までも、何処までも広がる戦火。
吐気催すよな肉焼けた臭い漂わせて。
ただのひとりも生きちゃないと実感湧かせた。


今に思えば、幾千の死が。
己に産声上げさせたのだろうな。