RECORD

Eno.7  の記録

煌めく銀

 
我々の教会でも縋るべき偶像と言うのはある。
存在を確かにする為に名を刻んだ銀色の十字架は、修道者であればほぼ必携の産物だ。
銀の色は厄と毒を払いまた神秘を孕むとされておりその実、祈りの込められたそれは精神を護る防壁ともなっている。
故に教会に所属する者は比較的偏執に至り難く、また異能の発症率も低い。

一般的に、その十字は最後の寄る辺なのだ。

然し。
修道者の中でも時折、赤い衣服を纏い金の十字を持つ者もいる。
それらは異端審問にて摘発されるか、あるいは教会内部で断罪のされる教会組織の中の犯罪者である証左であり
恩赦・・と言った様式にてそれら赤と金を渡されるのだ。
この教会にとっての金とは金満と欲を示し、また我らが聖女の御髪を象徴する。
金が以て罪を体現し、また金を以てその罪を赦される。

……尤も。
当然の事ではあるが、金の逆十字などを背負うのはこの上ない信仰の毀損なのである。
故に敬虔と祈りを忘れてはいけない。