RECORD
Eno.279 ネモフィラの記録
日記
妾は……どうしたいんじゃ?
此処の生活は理想郷のようじゃ。
真っ当な決闘が出来て、命のやり取りもなく。そして、此処で生きるのは実に簡単で。
平和な、素敵な町。妾にとって、本当に理想郷。

地獄での業務は、まさしく地獄じゃった。
悪魔を捌くのは別に構わん。妾が望んでいたことじゃ。でも……
戦女神にそそのかされた人間が。奴の加護を纏って。勇者として攻めてくるのは、辛抱ならん。
……妾は、人間が好きなんじゃよ。だから地獄に規律を作った。
悪魔の世界は弱肉強食。だから異論ある奴は挑みにこさせ、屈服させた。
そうして悪魔の世界に、秩序を作った。それでも、それでも……!
ああ、勇者の声が聞こえる。
妾の管理不行届きじゃ。すまぬ。でもおんしらたちを襲うつもりは妾にはない!
妾の秩序から漏れた悪魔は、構わず人間を襲う事もある。そしてそのしわ寄せは……全部、全部妾に飛んでくる!
大好きな人間たちから、憎悪にまみれた表情で。戦女神の加護を持ち、妾に勇者たちが剣を向ける……

……ああ、日記を書きながら、いつのまにか寝ていたらしい。
窓から月明かりが差し込んでおる。地獄にはない、月。
……妾は、帰りたくはない。けれど……
「どうすれば、良いんじゃ……」
『いっそのことここにすんじゃえば?』フィーの提案は実に魅力的じゃった。
妾もそうしたい。じゃが……此処に残って、見知った顔はどれだけ残るかの。
妾は……寂しいのが嫌な、わがままじゃよ。今のままでもな。そして……
『誰かと仲良くなって、その人の世界に転がり込むというのは?』これは天使と話した言葉。
……それも、またよい。でも……それほどまでに、仲良くなれる子を作るところから、じゃな。
そういう相手が出来たら……妾も、そうしたい。
「……はぁ。魔王ともあるものが情けない……」
ペンを置き、ベッドに倒れこむ。
「……明日も変わらぬ一日がありますように」
なにに願うか分からんまま。そっと、意識を飛ばした。
此処の生活は理想郷のようじゃ。
真っ当な決闘が出来て、命のやり取りもなく。そして、此処で生きるのは実に簡単で。
平和な、素敵な町。妾にとって、本当に理想郷。

……それこそ、地元に帰りたくなくなるくらいに。
地獄での業務は、まさしく地獄じゃった。
悪魔を捌くのは別に構わん。妾が望んでいたことじゃ。でも……
戦女神にそそのかされた人間が。奴の加護を纏って。勇者として攻めてくるのは、辛抱ならん。
……妾は、人間が好きなんじゃよ。だから地獄に規律を作った。
悪魔の世界は弱肉強食。だから異論ある奴は挑みにこさせ、屈服させた。
そうして悪魔の世界に、秩序を作った。それでも、それでも……!
ああ、勇者の声が聞こえる。
妾の管理不行届きじゃ。すまぬ。でもおんしらたちを襲うつもりは妾にはない!
妾の秩序から漏れた悪魔は、構わず人間を襲う事もある。そしてそのしわ寄せは……全部、全部妾に飛んでくる!
大好きな人間たちから、憎悪にまみれた表情で。戦女神の加護を持ち、妾に勇者たちが剣を向ける……

「厭じゃ!……む……」
……ああ、日記を書きながら、いつのまにか寝ていたらしい。
窓から月明かりが差し込んでおる。地獄にはない、月。
……妾は、帰りたくはない。けれど……
「どうすれば、良いんじゃ……」
『いっそのことここにすんじゃえば?』フィーの提案は実に魅力的じゃった。
妾もそうしたい。じゃが……此処に残って、見知った顔はどれだけ残るかの。
妾は……寂しいのが嫌な、わがままじゃよ。今のままでもな。そして……
『誰かと仲良くなって、その人の世界に転がり込むというのは?』これは天使と話した言葉。
……それも、またよい。でも……それほどまでに、仲良くなれる子を作るところから、じゃな。
そういう相手が出来たら……妾も、そうしたい。
「……はぁ。魔王ともあるものが情けない……」
ペンを置き、ベッドに倒れこむ。
「……明日も変わらぬ一日がありますように」
なにに願うか分からんまま。そっと、意識を飛ばした。