RECORD

Eno.85 ツェツィーリエの記録

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「眠れません」



別に寝不足ではない。
ただ、結構長いこと、眠りの浅い日々が続いていて、それが日に微睡を常に与え続けている。
瞼が重くおりるその瞬間を愛しているが、あまりに一瞬で浅くて仕方ない。

──いつも神経が休まらない。



「明日に目が覚めないかもしれないとか、そういうのではないんですよ」



「私は明日に希望を見ています」




「常によくあれと行動をします」




──だから挫けるわけにも、負けるわけにもいかない。
何事もそう。
自分で恥じない自分でいたいから。
自分と他人に負けない、自分でいたいから。



「…」



そうして生きていたら、息のぬきかたを忘れている。
強すぎる前進姿勢は勢いのままにはしり切ってしまうから。
褒められて、認められて、認められたくて、だって、



「私の強みです」



それしかないなんてネガティブではなくて、それが強みだと思っているから。

──折れない。曲がらない。
折れ方を知らない。曲がり方を知らない。

愚直にしか生きられない阿呆の塊。



「眠れません」



眠っている暇なんて、なかった。息を吐く暇なんて作りたくもなかった。