RECORD

Eno.35 V.F.の記録

-1

「そろそろ約束の時間…だけど。」


「――天音。こちらだ。」


「ロスヴァイセさん!」


「嗚呼、ロスヴァイセだ。」


「はい、ロスヴァイセさんですね。」


「うむ、ロスヴァイセだ。」


「………矢張り、慣れないな。」


「そ、そうですね…ふたりだけだと、会話のリズムが難しいですね。」


「うむ…こういうときは、
 先に事務連絡を済ませた方が良い、と姉様が言っていたな。」


「天音。以前話した"剣闘"だが、許可が得られた。」


「フラウィウス、というところでしたっけ?」


「そうだ。そこで得られる経験は、
 Variable Fencerとして、きっと役に立つ。」


「沢山の武器で、戦いを繰り広げる…それは、確かに良い経験にはなりそうですけども…。」


「寧ろ彼の地以上の経験を得られる場所など、そうそうないだろうな。
 Variable Fencerに役立つ経験としては。」


「でも、ちょっとは不安にもなりますよ…。
 一対一の剣闘なんて。」


「心配はない。前にも言ったが、独自のルールで行われる剣闘だ。
 弱くても勝てるし、強くても負ける。
 全く歯が立たない、なんていうことは無いはずだ。」


「そういう不安では無いんですけども…。」


「でも、そうですね。
 ここでまごついていても、仕方ないです。」


「そうだな。Variable Fencerとして、存分に腕を磨いてきてくれ。」


「…連呼しますね、Variable Fencer。」


「姉様と一緒に考えた、かっこいい職業クラス名だからな。
 かっこいいだろう、Variable Fencer。」


「ええ、それはそうですね。
 …やっぱり仲が良いですね、ロスヴァイセさん達。」


「勿論だ。だが、天音と私だって、仲良しだろう。」


「私達は、妹同盟なのだからな。」


「ふふ、そうでしたね。」



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刻露 天音(ときつゆ あまね)
自在神器を振るう、自在剣士Variable Fencer
交わした約束を胸に、戦い続ける。


ヴァルキュリア・ロスヴァイセ
英霊を導く、白銀の乙女。
ヴァルキュリア九姉妹の末っ子。