RECORD

Eno.4 七一二の記録

喜愛疼痛

「痛いことは嫌」



躾のたびに振るわれる暴力が嫌いだった。
だから、気に入られるべく努力をした。
武器の扱いも、立ち回りも、相手を殺す術も。



「痛いことが好き」



そう思うようにしていたら、
いつしか本当になってしまった。
そう思わなければ壊れてしまう、
そういう環境だった。



「痛いことが好き」



殴られたって、叩かれたって、
斬られたって、潰されたって。
身体に染みていく痛みは、
すぐに多幸感へ変わってしまう。



「いたいことがすき」



苦痛の終わる瞬間の、開放感が好きだ。
解放されてなお続く、疼く痛みが好きだ。
治癒に和らぐものすら、愛しく思う。


治ってしまっても、次があるもの。





ああでも、やっぱり、我慢は難しいなあ。