RECORD
Eno.152 プラティナの記録
Platinum
わたしは名前が無い。
いや──どちらかというと、わからない、が正解だと思う。
目が覚めた時、わたしは、わたしだった。
朽果てた墓石の上で、転がっていたらしい。
わたしを拾った人は、自分の事を語らなかった。
『墓守』だと、それだけを語って──
無銘墓所からどこかへと『落ちる』、出口を教えてくれた。
それから、ボロボロのシャベルひとつだけを、餞別だと渡してくれた。
わたしは、それひとつだけを持って、知らない世界へ落ちてきて。
──それから、あるじさまに出逢って。
わたしの、呼び方を決めてもらった。
プラティナと、わたしは呼ばれる事になった。
理由は、わたしが首から下げていた、銀色のプレート。
「Platinum」と彫られていた、それを、便宜上わたしの名前とする事にした。
わたしには名前が無い。
──本当は、あったのだろうか。
いや──どちらかというと、わからない、が正解だと思う。
目が覚めた時、わたしは、わたしだった。
朽果てた墓石の上で、転がっていたらしい。
わたしを拾った人は、自分の事を語らなかった。
『墓守』だと、それだけを語って──
無銘墓所からどこかへと『落ちる』、出口を教えてくれた。
それから、ボロボロのシャベルひとつだけを、餞別だと渡してくれた。
わたしは、それひとつだけを持って、知らない世界へ落ちてきて。
──それから、あるじさまに出逢って。
わたしの、呼び方を決めてもらった。
プラティナと、わたしは呼ばれる事になった。
理由は、わたしが首から下げていた、銀色のプレート。
「Platinum」と彫られていた、それを、便宜上わたしの名前とする事にした。
わたしには名前が無い。
──本当は、あったのだろうか。