RECORD

Eno.107 バトメルイドの記録

滞在記_3


此処に来て半月程度経過した。たしか。

昼に道に迷っていたら突然のご主人様ができた。
期間限定という約束ではあるが。

ご主人様は悪魔だ。

ただ、わたしくめには優しい人だと思った
正確には人ではないけど
あと今思えば、断る選択肢もあったのか ということに気づいた
正直断る理由もあまりない故に、構わないが

*

その後無事に路地を出て、宿に帰る。
落ち着いた後、少し前にもらった、アロマポットを取り出す。
作った人と同じ表情をしている……などと思いつつ
水を張り、先日雑貨屋で買った精油を垂らす。

*
選んだ精油はジャスミン
この匂いを嗅ぐと思いだす、前のご主人様のことを
あまりいい思い出ではないけど、結局選んでしまうのはこの匂いだ

「…………」



前のご主人さまのことは、『悪魔みたいな人』だと思っていた。
ただ、ご主人様……アヴァリー様や、昨日雑貨屋で困っているわたくしめを
助けてくれた悪魔様といい、優しい人……優しい悪魔だと思った

幽霊より生きてる人間のほうが怖い、みたいなものかもしれない