RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

EP11

「………」



悪いこと聞いちまったなァ〜〜……



自室に戻ればベットの淵にでも座る。
しばらくぼうっとするように部屋の壁を眺めていたが、そのうち頭を抱えるようにしながら、静かに声を出すか。

今日も星を見に行っていた。見えるだろうな、って想像は嘘だ。
事実として好天の日には綺麗に見えるからあの場所を訪れているのだから。
朝方の空を眺めながら、それら意味不明と声を交わし合う、無駄なことに時間を消費していたら、偶然彼女に見つかったわけである。
雑貨屋の店員。悪魔の種族のそのひと。

悪魔。
生憎悪魔というものは創作物であり、実在する物ではない。
あまり知識はなく、ただ、人にあまり良い物ではないことだけを知っている。



「…………」




ちょっと話したこと。生きる世界も種族も異なるから、聞く分には興味が惹かれる部分が多い。
自分はその人について知りたいなら、言葉を重ねて聞かなければいけないと思っている。
それは自分にとってない世界の話で──と言っても、この世界の物のほとんどは自分にとってない世界の話であったが──きっとここでしか聞けない話が多い。
その人に対してもそう。だから質問を重ねている。自分の世界のことを話すよりよっぽど会話は弾む。自分は脚本を話している。

けど、も。

明快に話す口が渋れば、やはりその訳は聞きたくなる物だろう。
別にぼかされても構わなかったが。それは“話したくない”の意思表示だ。

見るからに素直である。声を顰めてはいたものの。
話した言葉に、少なくとも、男の自分が聞くべきでないことだったと嫌悪が滲んでいる。

表情曇っていたか。
あいにく男は、潔癖の世界から来ていた。
知識がある。想像はできる。から、人に対して嫌悪を抱く。
素なのかキャラなのはまあ、どうだろね。





「………」




まあでも、その子は気にせずと緩く笑っていたのでとりあえずは。
その子の願いが叶うといいなは、本当。




詫び入れてえな〜…」




個人の気持ち。
まあ、ただ話すだけで済ますかもしれんけど。