RECORD

Eno.54 アジュール・プリズムの記録

十二基

「主様」


部屋の隅に花火の入った袋が置かれていました。
毛布の中に潜って、丸くなりながら、己の肩を抱きます。


「主様」


ここには、
守るものはいません。
守るべきものもいません。



「……主様」


寒い。温度の感じにくい身体で、冷えていく錯覚。
心臓が止まったように感じて、恐ろしくて、子犬のように微細に動きます。


「……ママ、パパ……せんせ……」


鼻の奥がつんとする感覚ばかりでした。


「……」