RECORD

Eno.253 クァリの記録

マルカデプラタ

 
リボルバー。スイングアウト式。
比較的新しい、華やかな彫金が施された銀色の銃。

とあるパーティーにて銀の弾丸と共に譲り受けたもの。




一発。天を撃つ。

人にも音にも匂いにも慣れてしまったか、魔物の群れは動かない。

それを見た灰色の手が、くるくると銀色の銃を踊らせ──両の手で構える。腰だめ。

引き金を引いたまま、残っていた四発を発砲。急所を撃ち抜かれ、四匹が倒れた。

装弾。撃鉄を叩く。五発発砲。逃げ腰になった五匹が倒れる。

「おっとと」

怯まず飛びかかってきた一匹の眉間を銃床で殴りつけ、勢いで飛び出たシリンダーに二発装弾。叩く。発砲。残りの二匹が倒れた。

たった五秒間。それだけで依頼は完了してしまった。

隊の間に重たい沈黙が落ちる。
一晩かけて一匹ずつ炙り出し駆除する手筈だった。
後方支援の枠が突然空いてしまったため、そこらの耳長に金を握らせ押し込んだのだが、妙なことになった。

魁を務めるはずだった剣士が沈黙に斬り込む。

「……え?魔法は?
 後方ってか……すごい前出るじゃん」

褒め言葉と受け取ったのか、灰色の耳長は振り返ってにっこりと笑った。