RECORD

Eno.403 半人半クマノミのホルンベルクの記録

掛け持ちの仕事:稀なケース

『海の国』は、稀人を拒む海と森に囲まれた、平和な国さ。
気候はフラフィウスに似て暖かくて、食べ物もおいしい。
ここに来られる外の人間はそんなに多くないから、
『秘境』みたいな扱いをしてる地域もあるんだって、冒険者の子が言ってたよ!

詳しいことは僕も分からないけれど、聖職者のお姉さんが言うには、
「この地には悪しきものを遠ざける」チカラがあるんだって。


「でも」


「どうもそのチカラは完璧なものじゃないみたいだよね」




それでもヒトには無限の可能性がある。
可能性があるからこそ、どうにかしてここを暴き、たどり着き、
そして僕たちにとって良くないこと・・・・・・をしようってヒトも、稀にいる。
これはその時のカッコイイ僕ってワケ。



「『キャメロット』から聞いたよー、キミのこと。……僕たちをサーカス見世物小屋に出したいって?」




静寂。
海の波の音だけが、遠くから聞こえている。


「そういうのは誘拐とか考えずに、ちゃんと勧誘してくれたら良かったのになぁ。結構自信あるよ?」


「ほら」




衣服を壁に縫い留めるようにナイフを投げ入れる。
ヒト相手は久々だけど、結構うまくいったかも。


「ねえ、帰りなよ。帰ろうとするだけなら、森も海も、キミの命は取らない。僕が送って行ってあげるから。」


「アハ!それとも送り狼とか警戒しちゃう系!?」


「いや……失礼。いつものノリが、ね?キミみたいな人が来るのって本当に珍しいから、はしゃいじゃった!」



僕たちの仕事は、
盗品・密輸品・禁制品の発見と管理。冒険者への情報提供。ちょっとしたお悩み相談。
あとは……こういう『アンモナイト騎士団』の目をかいくぐるような人のエスコート、かな。