RECORD

Eno.395 ファリーダの記録

ある国のお話

ある国の世界の住人は、おのれの欲為に一つの種族を滅ぼした。
欲の為に滅ぼしてしまった種族の重大さをある日知った。

木々が枯れ、作物は育たず、土はその豊かさを失って、草木は新たに芽吹かず。
【世界の死】を住人は目の当たりにした。

誕生を再生を司っていた種族。
幸福を希望を祈り願っていた種族。
もういない……。

住人は祈った、おのれの欲の為に奪った結晶をかき集めて。
叶うかわからないけれど、もう一度この世界を助けて欲しいと。
結晶を崇め奉り、ただただ祈った。

結晶は答えた。
幸福を希望を願い叶えるものとして。
おのれの姿を失っても、結晶に残る意志として。
どんな目にあっても、世界を人の子を愛していたから。

【人の子達よ、次は間違えないようにするのですよ……】

一匹の竜がそこにはいた。