RECORD

Eno.296 ロック・グレーの記録

不信

恋人と心中した娼婦の姉も
戦場で逸れた、兄と慕った少年兵も

大切なもの
どれだけ必死に縋ったとしても
簡単に離れてしまうことを知っている

「一緒にいてほしかった」

「叶わないなら、せめて一緒にしにたかった」


だから、いっしょにいきていっしょにしのうねと
それに頷いてくれたきみだけは
決して離したくなかった
獣以下の肉塊に成り果てたとしても
繋ぎ止めていたかった

「でも、でもさ、もう」

「つかれたよ」


縋る手はボロボロで
それでもきみはおれを省みることはなくて
こんなことがいつまで続くんだろうって思ったら
なんで生きてるのか分からなくなった

きっとはじめから諦めていた
期待しなかった
信じるすべを持っていなかった
だから、きみが耳を傾けてくれていたことにも
ちっとも気が付けなかったよ

きみがおれをうらぎりもの嘘つきと呼ぶのなら
それはきっと正しい