RECORD
Eno.69 フラム=ニグラートの記録
憎悪とは何たるか
私は、人を憎んだことが無かった。
親に否定されても、同期の者に指差されて嗤われても、
けだものに身体を壊されて恐怖を植え付けられても。
私は何一つ怨んだり、憎みなんてしなかった。
目の前の人が憎悪を抱えていれば、
どうしてそう行動するか理解し得なかった。
だから、聞かされた話というのは強く印象づいている。
“寂しくて、苦しくて、頼りたいと
思った時に浮かぶ顔は皆居なくて。”
孤独と絶望と。
“そんな時、自分からそれらを奪って行った人たちの顔が思い出されるの”
“あいつらのせいで、あたしは今苦しいのだと。”
喪失と憤怒と。
“憎まないと、身を蝕む孤独感を乗り越えられなかった”
“復讐を果たすために、生きているのだと……、
思わないと、苦しくて、死んでしまいたくなる”
真っ赤に燃える炎みたいな、生きる理由。
竜の子の言葉を思い返す。
“奪われてない!!!”
“アタシのものはあげない!!
ママもパパも全部アタシのだ!!”
奪われる前、それでも強い憤怒を感じた。
けれどまだ、間に合う。
まだ全ては焼け落ちていない。
あの子が全てを壊してしまうよりも早く、動かなくてはならない。
あの子の拠り所が奪う事に、壊す事になってしまうまえに。
でも、あのスライムの女は?
憎悪の念を持つスライムは?
憎悪を寄す処にしていたら?
あいつは、憎悪する相手を失ったら、何処を心の拠り所にするんだ?
親に否定されても、同期の者に指差されて嗤われても、
けだものに身体を壊されて恐怖を植え付けられても。
私は何一つ怨んだり、憎みなんてしなかった。
目の前の人が憎悪を抱えていれば、
どうしてそう行動するか理解し得なかった。
だから、聞かされた話というのは強く印象づいている。
“寂しくて、苦しくて、頼りたいと
思った時に浮かぶ顔は皆居なくて。”
孤独と絶望と。
“そんな時、自分からそれらを奪って行った人たちの顔が思い出されるの”
“あいつらのせいで、あたしは今苦しいのだと。”
喪失と憤怒と。
“憎まないと、身を蝕む孤独感を乗り越えられなかった”
“復讐を果たすために、生きているのだと……、
思わないと、苦しくて、死んでしまいたくなる”
真っ赤に燃える炎みたいな、生きる理由。
竜の子の言葉を思い返す。
“奪われてない!!!”
“アタシのものはあげない!!
ママもパパも全部アタシのだ!!”
奪われる前、それでも強い憤怒を感じた。
けれどまだ、間に合う。
まだ全ては焼け落ちていない。
あの子が全てを壊してしまうよりも早く、動かなくてはならない。
あの子の拠り所が奪う事に、壊す事になってしまうまえに。
でも、あのスライムの女は?
憎悪の念を持つスライムは?
憎悪を寄す処にしていたら?
あいつは、憎悪する相手を失ったら、何処を心の拠り所にするんだ?