RECORD

Eno.457 ルルベル・シャンパーニュの記録

懺悔***


私に与えられた唯一の光は、鉄格子越しの空でした。

…といっても、地下から見える窓とはとても高いところにあり、椅子を重ね、背伸びをしたらようやく見えるぐらい。
そして、たった一場面しか切り取られていない窓だから、飽きる子はすぐに飽きるでしょう。

夜は『自力で点けなさい』と火属性の訓練を強いられました。
やっと思いでつけても、吹き消されればすぐ消える、小さな小さな、弱い光。
私はそれを頼りにして食事をさせて貰ったり、体を洗って貰えたりしました。
メイドが悪戯に皮膚を引っ掻いても『もう少し手元が明るければこんなことには』と嗤うので、痛みにはすぐに慣れました。

朝日が昇れば、勉強、訓練、勉強。
夕陽が沈んでも、勉強、訓練、勉強。

遊びなんて、知りません。
楽しいことなんて、ひとつも知りません。
ただただ、"まとも"になるためだけに生き続けました。

(あぁ、こんなことしなくたって…簡単に、ほら、火はつくのに。)



太陽を"点"にして、燃えそうな材料を終着"点"にして、"線"で結べば、火はすぐにつきます。
こんな風に、私は生活で必要なことは全て"点"と"線"の魔法で解決してきました。
初めこそ、こんな力が何に使えるか疑問でしたが、慣れてくれば、まぁ、勝手が分かるもので。
生命や物は全て"点"と"線"が備わっているらしく、そこに触れれば様々なことが出来ます。
例えば、林檎に見える"線"に沿って切れば綺麗なウサギの林檎が出来て、小石の"点"を握れば、弾けて砕けます。

…この、本来の魔法の型に当てはまらない魔法は大抵、魔物が使うような魔法ばかりで、
"無価値の仔ノーブレス"はそれも含めて嫌われるそうで。

(それが嫌だから、お母さまは、私を)



努力させようとしてるのだ。
努力させようとしてるのだ。
努力させようとしてるのだ。

まだ見捨てない。
まだ置いていかない。
まだ目をかけてくれてる。

私は、その努力に応えなくちゃいけない。
だって私は、無価値でもお母さまの子だから。
それに、頑張ればいつか、きっと、この地下牢から出られるから。





努力をすれば、必ず人は報われます努力をしたところで徒労に終わる。」
諦めなければ、必ず夢は叶えられます誰も貴方の努力を保証なんてしてくれない。」
神はいつでも貴方の奮闘に答えますどうして限界があることに気付かない。」





正しくないなら、いっそ■してでも教えてよ。