RECORD

Eno.296 ロック・グレーの記録

残り滓

淀みを吐き出して空になったら
底に残った自分が見えてきた

ひとに構われるのがすき
勢いに任せて馬鹿なことをしたり言ったりするのがすき
生きた血肉を啜るのがすき
命のやり取りがすき
その合間の穏やかな時間がすき
卑屈で臆病で享楽的で残虐で自己中心的で
誰かが苦しんでるのを見ると自分まで苦しくて過剰な共感性
それなのに大切なひとが苦しんでるのが、今、嬉しい
歪んでねじれて矛盾した


どうしようもないおれが!

「そっか」

「ちゃんと、あったよ」

「これがおれだ」


踏み外した理、踏み躙った尊厳、欠落した意思
壊れてしまって、もう二度ともとには戻らない


そうして都合のよいものだけが残った
多くを喪ったあとの、ひどく身軽なそれが