RECORD

Eno.740 戦場 轟の記録

過ちは繰り返さない

「…何故、ダイナーの皆はあんなに騒いだのだろう?」



「人間は当たり前ではないのかな、過去を葬ることは」



ーかつて、22席の優秀な改造人間とされる『電脳人間』。
彼等を支える地元の貧民たちを改造した『試験型改造人間』。
未来でありながら、他国との戦に積極的だったあの世界は、
度々僕等を導入しては国を広げていった。

ーそんな最中起こったのが、「電脳人間のバグ」だ。
敵国の侵略に置いて平民をも逃さず捉えろとの命に準じていたあの後。
1人おかしくなっているものがいた。
―確か『第9席』の『隠者』だったかな。
僕とは製造番号も近いからよく組まされたっけね。
彼はその侵略後にふと弱い顔をしてこうつぶやいた。

「俺は、逃げる平民を片っ端から捕えようとしたんだが
 …女が赤んぼ抱いててよ」

「思い出しちまったんだ、俺にも妻と娘がいたことを!


ー翌日、彼は単身反旗を翻し、『俺を妻と娘の元に返せ』と暴れ狂った。
言うなれば制御の効かぬ状態、『暴走』と言っていいだろう。
ただ、それを許す組織であるわけがなく。
当然のように力と数で捻りつぶされ…言うまでもなく処分された。
僕はその時学んだんだんだよね、『僕達にとって人間時代はノイズ』だと。
マサチャンにもそうなって暴走してほしくない、それだけの気遣いだったんだけども。

「ちょっと、説明不足だったかもね」