RECORD

Eno.276 リベレの記録

点検:トライデント



暖かくなって、ようやく海水浴に行けるぞと勇んでビーチに駆け出した時、
僕は自分が泳げないということを知った。

そりゃそうだ。
実家は海なし県の山奥の田舎、授業はオンラインが当たり前で、水泳の授業も当然廃止。
お風呂だって、大きなサイズの浴槽に浸かるのはこの世界が初めてで……。
風呂場で泳ごうなんて行儀の悪いことはしないし……。

つまり、僕は水着ばっかりしっかり選んで、
肝心の水遊びはズブの素人ということになる。
溺れるのが怖すぎてものすごく大きな浮き輪を買った。
これ、膨らませてる時ちょっとだけ惨めな気持ちになるんだよな。

でも海への大きな憧れは捨てきれない。
潮騒、カモメの鳴き声、水平線と寄せては返す波。
あれらが近くにあるだけで、どうしてこんなにも心が安らぐのだろう。
家賃が安かったらビーチのそばの借家を借りてたのにな……。
……と、浅瀬で波に足元がさらわれる感覚にヒヤヒヤしながら思っていた。
次ビーチに行く時はもう少し遠くまで行けたらいいな。怖いけど。

……あっ、一応言っておくけど、
トライデントの衣装は水着っぽいけど水着ではなく、決して水着で戦いに来たわけではないので、勘違いはしないでほしい。
他の衣装もこれもコスプレだろと言われたらぐうの音も出ないんだけど……。