RECORD

Eno.282 マキの記録

泥と砂浜と潮風-01

 
――スワンプマン沼男

アレーナのシステムをどう使ったのか、闘技者の真似をして
襲ってきて、負かした相手を取り込む。
そして増えて――
どうするつもりかはわからない。
ただそういうものがいて、この世界で増えていると"専門家"のタチバナさんは言った。
誰かを取り込む前に、倒して摘んでいくしかない。

そして、"遭った"
真似した人の知り合いなら戦う前に取り込めるかも
そういった性質があるのかまではしらないけど
淀んだ赤い目の彼が、立っていた。
感じた肌寒さはぞっとしたもの以外もあるとおもう。
打ち合い、剣が掠めたところは血が出る代わりに痛みと動かしにくさ
――凍っている。
それを無理矢理動かしていて、血液の温度差が痒さを通り越して、痛い。

でも、ここで負けたら
アヤが取り込まれたら
とっても厄介なことになる。そのくらいの自覚は合ったし
サミュ君が無事か、確かめないと
押されていたところをどうしたのか、わからないまま
気が付いたら足元に泥が広がっていて、
偽物でもそうしてしまったこと、それの言葉、色んなもので
動けなくて、立っていた。

「だ、大丈夫かいアヤノちゃん。」
「怪我は…ああ、巻き戻ったか、良かった。」


音に気付いたサミュ君が追い付いて、
アヤのことを心配してくれる足元で、乾き始めた泥がにじられ、風に舞う。

アヤのことになるとサミュ君はあの島の時みたいな
子どもみたいなところがあるけど
 
 

   『自分として生きたかった それすら許されないのか?』
           『ああ、呪わしい。妬ましい。』
                        『………痛いのはもう嫌だ。』


――それも、いつかのきみのことばなの?
   そのときのきみは、どんなかおで?