RECORD

Eno.457 ルルベル・シャンパーニュの記録

懺悔****

ある日の、ことでした。
お母さまか、メイドの誰かが"うっかり"をやらかして、地下の施錠を怠っていたのです。
その扉が開かれた時に、私の前に現れたのは――見知らぬ男の子。

『あれ…イザベラ?なんでここに?
てか、髪青かったっけ?』

男の子は不思議そうにそう言います。
"イザベラ"は姉…つまり、この子は彼女の友人か何かだろうとすぐに分かりました。
違う、私は妹の■■■だと名乗れば、また驚いた顔を見せました。

『ホント!?あの子、妹がいたなんて言ったか!?』

話さないでしょう、だって私は家族の恥だから。

『恥…?まぁ、よく分かんないけどさ、こんなところにいたら気分が悪くなるし、部屋に行こうぜ。』

私の部屋はここ、貴方こそ早く姉の部屋に戻るべきだ。
ここで見たことなんて、忘れて。

『なんで?きみ、"楽しく"なさそうじゃん。』

じゃあ、こう言えば分かる?
私はね、"無価値の仔"なの。ハズレっ子。必要ない子。
だから地下にいなきゃいけないの。

『…なんで?』

なんでって、それこそなんで?分からないの?
ここにいるべき人間なの、私は。

『そんなの誰が決めたんだよ。』

お母さまよ。

『じゃあ、俺は違うって言うね!』

……ハ?

『だって、イザベラは普通の暮らしをしてるのに、きみは囚人みたいな生活をしてるのは、誰が見たっておかしいだろ?
シャンパーニュ夫人はそう決めたかもしれないけど…俺はおかしい、うん、絶対におかしい!』

………

『だから、ここから出ようぜ。■■■だっけ?
俺はリヒト!リヒテンシュタイン・イエーベル!
イザベラがあったかい紅茶とクッキー持て余してるからさ――』



あ。



"線"が。"お母さま"が、くる。



『■■■?』

ダメ、やっぱり帰って!お母さまがきちゃう!

『■■■、っちょ!』

お願い、見なかったことにして!そうすれば、貴方も私も、みんなが傷つかなくて済むから!!

『■■■!!』





ガチャン。

「…ハァ、ハァ…」



扉は、閉めた。これでいい、これでいいんだ。
私は今日も、"誰にも"会ってない。お母さまから聞かれたって、それで通せばいい。
どうせ、お母さまに嘘を吐いたところで、あの人は私の言葉なんて心に留めたりしないのだから。

「………」




……おかしい、ですって。

…そんなの、とっくの昔に分かってるわよ…ッ



突然差し込んだリヒトは、あまりにも、眩しすぎた。