RECORD
Eno.749 カイヴァリヤの記録
酒の肴 2
「水だけを飲む者には隠し事がある……」
「その点、余暇を酒と歓談に費やす私は極めて誠実といえる。
そう思わないか?」
「今日も酒の肴に、遠き我が故郷、ネクトリアの主を語ろう」
*****
「ネクトリアの天地たる大水母は2桶。
慈母様と厳父様――そう呼ばれている」
「慈母様は人を愛しているという。
彼女は愛ゆえに、その身を人の楽土とした」
「厳父様も人に情をかけるが、それは慈母様を愛しているからだ。
ゆえに慈母様の理想を乱す者には容赦無い。
厳しい父、その名の通り」
「慈しみだけで秩序は育たぬ。
規律とはしばしば、冷たくあらねばならない」
「慈母様の中に街は在る。
しかし、厳父様あってこそネクトリアは楽園なのだ」
「ネクトリアの民は慈母様と厳父様を同列に崇める。
だが無明のうち、厳父様に己が不運の原因を求める者も――残念ながら存在する」
「試練、罰、艱難辛苦も因果の一端」
「厳父様に悪を見出すのは、凶兆の流星を憎むと同じよ。
ものごとを起こすのは星辰ではなく、実際の因果だ」
「ククク……語らいの場で思考の迷宮に迷い込んだことを詫びよう」
「とかく、洞窟の影に踊らされるは人生の浪費に他ならない。
貴様も軽く気に留めておけば、忘れた頃に身を助けるかもしれんぞ」
「その点、余暇を酒と歓談に費やす私は極めて誠実といえる。
そう思わないか?」
「今日も酒の肴に、遠き我が故郷、ネクトリアの主を語ろう」
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「ネクトリアの天地たる大水母は2桶。
慈母様と厳父様――そう呼ばれている」
「慈母様は人を愛しているという。
彼女は愛ゆえに、その身を人の楽土とした」
「厳父様も人に情をかけるが、それは慈母様を愛しているからだ。
ゆえに慈母様の理想を乱す者には容赦無い。
厳しい父、その名の通り」
「慈しみだけで秩序は育たぬ。
規律とはしばしば、冷たくあらねばならない」
「慈母様の中に街は在る。
しかし、厳父様あってこそネクトリアは楽園なのだ」
「ネクトリアの民は慈母様と厳父様を同列に崇める。
だが無明のうち、厳父様に己が不運の原因を求める者も――残念ながら存在する」
「試練、罰、艱難辛苦も因果の一端」
「厳父様に悪を見出すのは、凶兆の流星を憎むと同じよ。
ものごとを起こすのは星辰ではなく、実際の因果だ」
「ククク……語らいの場で思考の迷宮に迷い込んだことを詫びよう」
「とかく、洞窟の影に踊らされるは人生の浪費に他ならない。
貴様も軽く気に留めておけば、忘れた頃に身を助けるかもしれんぞ」