RECORD

Eno.23 透の記録

今日、透明色の『 』



ずっと寝ていた。

眠い、とかじゃない。眠いっていうのが未だに良く分からなかった。
ただ、体が重くて、怠くて、億劫だと思った。
それでも部屋に帰って来れるのだから、俺の帰巣本能は少し向上していたみたいだ。

「……ごほっ。」


口からは咳しか出ない。喉の奥に何かがある、気がする。
いっそ口に手を突っ込んで、それを引きずり出せたなら。スッキリするのかもしれない。

そう思って指を入れてみたんだけど、どうにも届かなかった。もっと長いものなら届くのだろうか。

机の上にキラキラした小さいものが沢山転がっている。いつの間にかいた、白い腕みたいなのとそれを眺めていた。
それ以外はベッド。動きたくない。

探しに行かなくちゃいけないのに、すぐ疲れて息が苦しくなった。

「――……」


喉に触れる。少し、ゾッとして。

ベッドにまた転がった。

白い腕が俺を撫でて、外に行こうと言うみたいにたまに引く。
探せって、言う。

ポケットの中。何かしらの紙くずが擦れて音を立てた。