RECORD
Eno.292 守道 福太郎の記録
提出された音声記録 1
「……あー、あー。入ってっかコレ」
「はい、すみません。守道ス」
静かな室内に響く青年の声。
少し遠くからくぐもったうめき声が聞こえる。
「やっとデケー症状出ました。アイツが隠してただけかもしれないスけど」
「ばっちり斬りかかられましてー。あ、怪我は無いです。アレって回避できるんスね」
「髪斬られるくらいで済みました。その後すぐ拘束措置の行使。通知行ったでしょ」
「大分意識というかなんつーか……俺の事わかってなかったし」
「ギフトの発動条件も甘くなってました。マジ怖い」
「部屋の中の物もなんぼかバラバラになってましたし。
……あれ弁償するの面倒なんで、後で姫礼さんのギフト貸してくれません?」
くぐもったうめき声が聞こえる。
「理性がうんたらかんたらなってんですかね?」
「落ち着くまでふん縛って転がしておくんで。……もうちょっと優しくしときたいですケド」
「こいつ青星でしょ?」
「ランクAの異彩だし……こういう時って容赦しないくらいが丁度いいと思ったんで」
「俺だってランクBだけど分悪すぎだし……」
くぐもったうめき声が聞こえる。
「……口まで縛る必要ないと思います?」
「だってなんかさ。……ほら」
粘着質なものを剥がす音。
「すまんね颯斗クンよ。何か言う事ある?」
『…………』
『かえりたい』
『僕たちの居場所はここじゃない』
『僕、は ただ』『みんなを連れてこうと』
『楽にしてあげたくて』
『あれ?』『え、あ』
『兄貴、僕』『どこに行けばいいの』
『なにも、わかんなくて』『あ、はは、は』
『どこに』
『……』『兄貴も』
「……何」
『お姉さんと一緒に、ね』『母さんたちのとこまで』
『かえりたいんじゃないの』
「…………」
「……」「…………はぁ」
「ね? 変な事言うんスよ」
「人が死んだら星になって空に帰るってんなら、地獄ってのは随分綺麗なトコだな」
「アハハ……」
「実際どうなんだよ。颯斗」
「笑ってら」
「どうかしてる」
「はい、すみません。守道ス」
静かな室内に響く青年の声。
少し遠くからくぐもったうめき声が聞こえる。
「やっとデケー症状出ました。アイツが隠してただけかもしれないスけど」
「ばっちり斬りかかられましてー。あ、怪我は無いです。アレって回避できるんスね」
「髪斬られるくらいで済みました。その後すぐ拘束措置の行使。通知行ったでしょ」
「大分意識というかなんつーか……俺の事わかってなかったし」
「ギフトの発動条件も甘くなってました。マジ怖い」
「部屋の中の物もなんぼかバラバラになってましたし。
……あれ弁償するの面倒なんで、後で姫礼さんのギフト貸してくれません?」
くぐもったうめき声が聞こえる。
「理性がうんたらかんたらなってんですかね?」
「落ち着くまでふん縛って転がしておくんで。……もうちょっと優しくしときたいですケド」
「こいつ青星でしょ?」
「ランクAの異彩だし……こういう時って容赦しないくらいが丁度いいと思ったんで」
「俺だってランクBだけど分悪すぎだし……」
くぐもったうめき声が聞こえる。
「……口まで縛る必要ないと思います?」
「だってなんかさ。……ほら」
粘着質なものを剥がす音。
「すまんね颯斗クンよ。何か言う事ある?」
『…………』
『かえりたい』
『僕たちの居場所はここじゃない』
『僕、は ただ』『みんなを連れてこうと』
『楽にしてあげたくて』
『あれ?』『え、あ』
『兄貴、僕』『どこに行けばいいの』
『なにも、わかんなくて』『あ、はは、は』
『どこに』
『……』『兄貴も』
「……何」
『お姉さんと一緒に、ね』『母さんたちのとこまで』
『かえりたいんじゃないの』
「…………」
「……」「…………はぁ」
「ね? 変な事言うんスよ」
「人が死んだら星になって空に帰るってんなら、地獄ってのは随分綺麗なトコだな」
「アハハ……」
「実際どうなんだよ。颯斗」
「笑ってら」
「どうかしてる」