RECORD

Eno.208 《4i.無感動》の記録

先代の話

「退屈に殺されるんだ」



無感動の位は。
それなりに悪魔の入れ替わりがある席だった。
無感動であるとは無慈悲であること。慈愛がなく、利己的で排他的であるとも同時に。
外への期待を完全に諦めたものへの茨の冠でもあった。

「全てが色褪せる」


「神が居ようと居まいとどうでもいいし」


「馬鹿なことをする気も起きないし」


「何が来ても受け入れるだけだし」


「いたぶられてもあっそうって感じだし」


「穢らわしくても構わないし」


「色事なんかつまらないし」


「何か欲しい訳でもない」


「不安定になるようなものがない」


「物なんて手に入れたって意味が無い」



彼らは大抵、耐え兼ねる。
他ならぬ己のつまらなさに。
繰り返される退屈に。平坦な世界に。色あせた全てに。
怠惰になる。
夢を見ないし、期待もしない。
惰性で死なないだけで、今をやり過ごす。

「でももうそれも考えなくていいなら、晴れやかになれるかなと思ったんだけど」


先代の無感動の位についた悪魔は寂しげに笑った。

「やっぱりこんなものだった、つまらないな」


それをただ青い目が見ていた。