RECORD

Eno.7  の記録

*欺瞞反旗

 

『欺瞞反旗』




―――人間の感情を"糸"として紡ぎ出す『金の愚針ぐしん』。
これによって偏執に至らぬよう感情を紡ぐ者はそれなりに存在している。

教皇ブリント・レッヒェもまたその一人。
教会の徒でありながら、欺瞞と猜疑心に満ちたそれは黒に近い糸であり
やがて糸から布に。300余年の月日は大旗に至るまでとなった。
また、金の愚針によって紡がれた慕糸とはその紡がれた感情を触れた者に伝播させる性質がある。
悲哀を糸にしたならば悲哀が、幸福を糸にしたならば幸福が。

欺瞞反旗とは、欺瞞に満ちた旗である。
十重二十重に重なったそれは握る者に自己欺瞞を誘発させ、
他者を跳ね除ける性質は祈りを引き金とする聖力に依って悪意を跳ね返す反撃の手段となる。


故に、欺瞞反旗。
欺瞞にて折れずの心と、孤高に在るための旗。
欺瞞たれ。
欺瞞たれ。
欺瞞たれ。


――――欺瞞たれ。



そうすれば、欺瞞であれど己は問題ないと嘯けるのだから。