RECORD

Eno.457 ルルベル・シャンパーニュの記録

後悔


煌々と燃える炎が、私の眼に映りました。奪わないで、奪わないで
華やかであった都が、一瞬にして火の海と化したのです。私から奪わないでよ
あの血のように赤い肌と、禍々しい角と尾を持つ化け物が、やめてよ、奪わないで、私から
一瞬にして何もかもを奪っていったのです。もう嫌だ、こんなの見たくない


だから無理だと言った
いくら勇者でも救えないものがあると訴えた
魔王を倒したばかりの私たちに出来ることなどないと
セナもアレルヤもそうだと言ったのに
どうして、君は


「俺は、――"勇者"だから。」



どうして、前ばかりしか見ないの。

セナは瓦礫に埋もれました。奪わないで
アレルヤは潰されました。奪わないでよ、お願い
リヒトは、それでも、尚、前を向いて、

やめて
やめてよ
私からもう、何も奪わないで!


リヒ












夢を見るのです。
今も尚、あの燃え盛る火の海を。
だから、私の憎悪は燃え尽きぬのです。