RECORD

Eno.457 ルルベル・シャンパーニュの記録

後悔*

「その後、リヒトは死にました。
レッドドラゴンと相討ちとなったのです。」


「王国に平和が戻りました。
誰もが歓声をあげ、救われた命に感謝いたしました。」


「私"だけ"が生き残りました。」


「皆が口を揃えてこう言うのです。」



『"大賢者"サンタモニカ!』
『あの悲劇から我々を救った英雄が一人!』
『どうか我々を導いてください!』


英雄は皆を救いましたこんなのおかしい。」


英雄はこれからも皆を救わねばいけませんそんな綺麗事で死んでたまるか。」


英雄は人々の救済と平和の象徴ですこれはただの供物に過ぎない。」



ど う し て 私 が ! ! !


「私は、私だけが、あの日に取り残されています。
燃え盛る火の海の地獄から、抜け出せずにいます。」


「それでも、レッドドラゴンはまた現れたのです。」


「私は、その地を予言として皆に伝えました。
あの日、がむしゃらに掴んだ"線"がこのような形で還るとは、
思っていませんでした。」


「私は、あの日の悲劇を繰り返したくないから予言しましたそんなの嘘に決まってる。」


「また倒されて、また戻ろうが、先手を打ちました。」


あの日の悲劇を繰り返したくないからアイツは何があっても苦しまなければいけない。」


「その内、私は"大預言者"なんて大層なものを付けられました。」


皆に称えられ尊敬される身として光栄と思います私がしたいのはアイツへの復讐だ。」


「そうして、後世まで私の名は語り継がれることでしょう。」


「嗚呼、なんてとても―――」







笑えない話だわ。