RECORD

Eno.212 フィオルライレの記録

【■の頁】新しい一日

朝、微睡の中で香ったものはなんだったのでしょうか。
宿のシーツからはまっさらな匂い。
夢の淵で見えた赤い花のそれではありませんでした。

「   」

名前を呼ぼうとしたものの声にはなりません。
呼べば呼ぶ程に無意味だと感じてしまうからです。

青い目のけだものは、のそりと身を起こし
新しい一日をはじめる支度をします。

朝が来なかった誰かの分も、
これから幾度も朝を迎えるのです。