RECORD
Eno.3 『夜凪の鴉』の記録
鴉が鴉と名乗る前の話①
――今、ファリスと出会う10年前。
僕はと言うと、また世界を転移し、とある国で、
あまり治安がいいとは言えない場所で細々と暗殺業の依頼を受け。
探偵業をたまにやるという、状態になっていた。

そう考えた刹那、不意に。
とある男が僕に声をかける。

そう声をかけられ、振り返れば。
見た目こそ女性のような恰好をしているものの。
雰囲気から同業者のように見える白髪の三つ編みに。
なによりも眼帯をしているのが、白髪に負けないぐらい主張を見せており。
秀麗、と呼ぶに相応しいであろう出で立ちをしていた。



――驚いた。
この男は、おそらく前の世界の住人か。
もしくは同じ世界の放浪者である可能性が高い。
――なぜならば。
ここの世界では、『白鈴の蛇』ではなく、『白銀の鷹』としてここの探偵業をしているからだ。
この世界でも、前の世界でも。ある程度探偵の噂を流してはいるが。
その名を。『白鈴の蛇』を頼る者は、あまりいなかったはずだ。
それもそのはず、前の世界では滞在時間が短かったのだから。




――これは、驚いた。
なんと、目の前の男は、僕に潜入調査を依頼したいと言っているのだから。
話自体は魅力的ではあるが、問題は報酬と。
何故男が、この僕に依頼をしたいと思ったのか。
それらが解決しなければ、首を縦に振ることはできない。



――悪くない。
少々この男に手玉を取られているのは気に食わないが。
それさえも覆りそうな出来事が起こりそうで。
――魔族は、勘がいい。

僕はその提案を飲み。
本格的にその貴族の潜入調査を、始めるのであった。
僕はと言うと、また世界を転移し、とある国で、
あまり治安がいいとは言えない場所で細々と暗殺業の依頼を受け。
探偵業をたまにやるという、状態になっていた。
「……ここも、あまり羽根を伸ばせる場所じゃなさそうだし、
次の場所へと移動することも考えるか」
そう考えた刹那、不意に。
とある男が僕に声をかける。
「よう、中々儲かってそうじゃないか、旦那?」
そう声をかけられ、振り返れば。
見た目こそ女性のような恰好をしているものの。
雰囲気から同業者のように見える白髪の三つ編みに。
なによりも眼帯をしているのが、白髪に負けないぐらい主張を見せており。
秀麗、と呼ぶに相応しいであろう出で立ちをしていた。
「……まあ、ぼちぼち、ね。そっちのあんたはどうだい?」
「……いやぁ、どうだろうな。
こっちもぼちぼちって、ところだが」
「……まあ、探偵業をやってる旦那なら、もうかってそうではあるけどな?『白鈴の蛇』よ」
――驚いた。
この男は、おそらく前の世界の住人か。
もしくは同じ世界の放浪者である可能性が高い。
――なぜならば。
ここの世界では、『白鈴の蛇』ではなく、『白銀の鷹』としてここの探偵業をしているからだ。
この世界でも、前の世界でも。ある程度探偵の噂を流してはいるが。
その名を。『白鈴の蛇』を頼る者は、あまりいなかったはずだ。
それもそのはず、前の世界では滞在時間が短かったのだから。
「……それで、探偵の名を呼ぶという事は。
何か俺に用があるのかい?――お貴族様」
「話が早くて助かるよ、旦那。
――そうだな、一つ、時間がかかる事を頼みたいぜ」
「……へぇ、その依頼とは?」
「この街のとある貴族の専属暗殺者をしてもらい、
その貴族の素性を暴いてほしいのが、俺の依頼だ」
――これは、驚いた。
なんと、目の前の男は、僕に潜入調査を依頼したいと言っているのだから。
話自体は魅力的ではあるが、問題は報酬と。
何故男が、この僕に依頼をしたいと思ったのか。
それらが解決しなければ、首を縦に振ることはできない。
「……それで、報酬は?」
「すぐには用意できないが……、
10年もあれば旦那になら尻尾を掴めるだろうよ」
「その間にこの街を旦那にとって住みやすくするのと。
旦那がとびっきり驚く事実を突きつける、なんてどうだ?
勿論金は用意するが、必要ならばその依頼の支援をさせてもらおう」
――悪くない。
少々この男に手玉を取られているのは気に食わないが。
それさえも覆りそうな出来事が起こりそうで。
――魔族は、勘がいい。
「……いいね、乗った。その依頼、『白鈴の蛇』、もとい『白銀の鷹』として。
引き受けようじゃないか」
僕はその提案を飲み。
本格的にその貴族の潜入調査を、始めるのであった。