RECORD

Eno.128 ✧˖°の記録

光の儀

「我神の生贄なる物を、ご覧頂けますか?」

「せっかくの儀にご参加なられるならと、特別に」



「ミハイル様」



10年前だったろうか。
僕はリュミエア神殿のとある儀式のために王家の者として、参加させられた。

生贄なる光属性の子が贄とされる儀。

『光神の儀』。

「ミハイル様も聖なる光をお持ちなされると、お聞きしております」

「生贄の者の気持ちも、これを見て分かられるでしょうか」


「さあね」



「実は今回の生贄の子は、双子でして……とても珍しい事なのです。
これまでは生贄となる『光属性』を持つ人間は1人しかいなかった物で」


「そうなんだ」



「片方は、普通に人として生かされると意向があるとされています。
もう片方は神となるために、こうして……"神の贄"となるのです」



なんて……残酷な事なのだろうと、思った。
2人として生まれてしまったばかりに、1人は人として生きていけないのだ。

贄となる物が1人なら、違っていただろうに。

それをみて、自分はこうも人として生きていけるだけで自由だと言うのに。
どうしてこんなにも空虚な気持ちになる時があるのだろう。

まだ若い、僕はそうだと思っていた──。