RECORD
Eno.73 牛魔の記録
元へ
宿の一室。
ベッドによじ登らず床で眠りにつく仔牛は夢を見ていた。
酒場で喧騒を笑いながら見ている者、角が大きく豊満な姿の己を俯瞰するだけの夢。
これから戻る姿はあれなのだろうなと察する。

優しくされた
初めて牛乳を飲んだ
日を浴びながら昼寝をした
暗くて臭くて狭い小屋に閉じ込められ、たまに投げ込まれる餌のようなものを食べたり、いつ寝たか起きたか忘れるただ生きていられるだけのような日々よりもこの世界はとても過ごしやすかった。
心は未来予知をする前の年頃であった牛。
楽しそうにしていた大きな己を見て希望を抱いたような心地になる。
……尻尾が無いのは少し残念
日の出前に気持ちのいい目覚めを迎え、ずっと被っていたシーツを脱いでから体を変化させ始めた。
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すっかり元に戻った妖。
小さくなっていた頃の事は頭から抜け落ちてしまっていて。
近くにあったシーツを体まで手繰り寄せてから二度寝した。
ベッドによじ登らず床で眠りにつく仔牛は夢を見ていた。
酒場で喧騒を笑いながら見ている者、角が大きく豊満な姿の己を俯瞰するだけの夢。
これから戻る姿はあれなのだろうなと察する。

「ふ……」
優しくされた
初めて牛乳を飲んだ
日を浴びながら昼寝をした
暗くて臭くて狭い小屋に閉じ込められ、たまに投げ込まれる餌のようなものを食べたり、いつ寝たか起きたか忘れるただ生きていられるだけのような日々よりもこの世界はとても過ごしやすかった。
心は未来予知をする前の年頃であった牛。
楽しそうにしていた大きな己を見て希望を抱いたような心地になる。
……尻尾が無いのは少し残念
日の出前に気持ちのいい目覚めを迎え、ずっと被っていたシーツを脱いでから体を変化させ始めた。
「……?」
すっかり元に戻った妖。
小さくなっていた頃の事は頭から抜け落ちてしまっていて。
近くにあったシーツを体まで手繰り寄せてから二度寝した。