RECORD
Eno.289 空木 颯斗の記録
久方ぶりに自分の姿を鏡で見た。
機関の人曰く、これはすぐに治るものじゃないらしい。
治らないかもしれないらしい。
治るとしても、一年位、かかるかどうか。
……逆に良かったかもな、と思った。
三年前と比べてこれ程清々しく変わっていれば、
なんとなく未練のようなものも晴れた気がした。
今の自分はあの時とは違う。
そして一週間前とも、また違う。
変わるのが面倒なのは、受け入れなければならないから。
受け入れてしまえば楽だ。
需要か諦観なのかは、自分に判別は付かないけど。
異能のコントロールも取れるようにはなった。
相変わらず性質は変わったままだけど……まあ、いい。
使い方次第でむしろ前より使いやすい位だ。
頭の中はまだ騒がしい。けれど不思議と凪いでいる。
慣れてしまってからは並行思考の一部のような感覚だ。
大丈夫。適応、できている。
異能者は並べて君のようになるべきだ。
それは、少しそう思う。
ここまで来るのは苦しいけど、前より身体が楽だ。
その先の空で孵ればいい。
夜鷹になって皆を空に送るのもいい。
星になって僕らの仲間になるのもいい。
それは、そうは思わない。
自分の行き先は自分で決める。
大丈夫。思考の管理は出来ている。
衝動はない。
白梟さんの往診も有り難い物だった。
自分の今までを話せば、自分を再定義できた。
だからまだ、僕は僕だと言える。
僕というものが何かわからなくても。
生きる理由がわからなくても。
死んでないだけだ。
生かされている。
それでいい。
まだ立てる。
それだけで十分だろ。
変わってやる。
思考《肆》
久方ぶりに自分の姿を鏡で見た。
機関の人曰く、これはすぐに治るものじゃないらしい。
治らないかもしれないらしい。
治るとしても、一年位、かかるかどうか。
……逆に良かったかもな、と思った。
三年前と比べてこれ程清々しく変わっていれば、
なんとなく未練のようなものも晴れた気がした。
今の自分はあの時とは違う。
そして一週間前とも、また違う。
変わるのが面倒なのは、受け入れなければならないから。
受け入れてしまえば楽だ。
需要か諦観なのかは、自分に判別は付かないけど。
異能のコントロールも取れるようにはなった。
相変わらず性質は変わったままだけど……まあ、いい。
使い方次第でむしろ前より使いやすい位だ。
頭の中はまだ騒がしい。けれど不思議と凪いでいる。
慣れてしまってからは並行思考の一部のような感覚だ。
大丈夫。適応、できている。
異能者は並べて君のようになるべきだ。
それは、少しそう思う。
ここまで来るのは苦しいけど、前より身体が楽だ。
その先の空で孵ればいい。
夜鷹になって皆を空に送るのもいい。
星になって僕らの仲間になるのもいい。
それは、そうは思わない。
自分の行き先は自分で決める。
大丈夫。思考の管理は出来ている。
衝動はない。
白梟さんの往診も有り難い物だった。
自分の今までを話せば、自分を再定義できた。
だからまだ、僕は僕だと言える。
僕というものが何かわからなくても。
生きる理由がわからなくても。
死んでないだけだ。
生かされている。
それでいい。
まだ立てる。
それだけで十分だろ。
変わってやる。