RECORD

Eno.576 ELMERの記録

概要/氷呪の竜たち

『……ゼノの門が開いた…?』

1匹の竜が首を上げる。白と黒の特徴的な模様と、クジラやイルカ特有の水棲哺乳類の体――<つまりシャチ―にそのままワイヴァーン源星の竜の上半身を繋げたキメラが、本来逢う事の無いもう1匹の竜に気が付く。

意識上いるのは気が付いていた。1つの体をシェアしてありながら、お互いの顔を合わせない。だがそれも、今日までだと言う事。

『――――結局、キミはもう一度戦うんだね。己がやっとの思いで紡いだ平和を壊してでも』

4枚の菱形の鏡が空を舞う。それ1枚1枚が翼であり、竜はそれを8枚操り、2枚はクロードへ貸している。

『ボクはいいけれど、キミがゼノに耐えられるの?いやきっと、耐える方法を見つけたんだろうけど』

1人虚空へと呟く。当然、反応は帰ってこない。

『大丈夫か。ボクの鏡は使えるし、ゼノ自身、ボクのことは苦手だろうしね』

竜は微睡む。主である狼が、氷竜ボクの名を呼ぶまで。

精神共鳴が実装された。