RECORD
Eno.127 Vecens Pulcargeの記録
◆水の祝福
半年と少し前の事。
僕達魔物というのは基本的に、魔王のもとで動くものたちだ。
なのに低級から中級ぐらいの魔物たちが、どうも不思議な動きを見せていた。
まるで何かに命令でも与えられたかのように、魔物たちが人間の街を攻め込んだんだ。
僕達にとって人間は些末なものだけど、それでも煩わしいものだった。
始末出来るものならしたい、けれども始末をするにはあいつらの貼る壁が──結界が邪魔だった。
それがどうしてか魔物たちが攻め込む時に結界は消えていて、最終的には随分な数の人間を始末出来ていたと思う。
いくつか無くなった集落もあったんじゃなかったかな?あんま僕は興味が無かったんだけどさ。
それで、なんでそんな事が起こったのかリラに聴いたんだ。
なんせリラは沢山の目を持っていて、世界の事にはとても詳しかったからね。
僕はそんなに世界まるごとには興味無くって。ほら、目の前の事が面白ければそれで良くない?
だから人間の王にちょっかいかけたりして、街がおかしくなってくの眺めて遊んだりしてるぐらいなんだけど。
閑話休題。
リラは言ったのさ、『私のお気に入りの“目”が面白いことをしてる』ってね。
きっとまた趣味の悪い話作ってんのかと思ったけど、それじゃない。
例え大魔たるリラの創ったしもべであっても、そこまで沢山の魔物に命ずることなんて出来ない。
魔物を統率できるものなんて、僕達みたいな上級の魔物か魔王様ぐらいだし。
だからさ、暇つぶしも兼ねて見に行ったんだ。
覗き見の好きな吸血鬼の話を聴いて、そいつを頼って探してみた。
魔物を操る中心に居たの、なんだったと思う?
なんと、ただの人間だったんだ!
でも、何だか不思議なにおいがした。
懐かしいようなにおいがした気がして、でもそれよりもずっと、水のにおいがした。
後から知ったよ、あれが水の祝福のにおいだって。
水の祝福を持つ人間は、面白く掻き乱して僕達の役に立ってくれるらしい。
だから僕達は容認したよ、人間に魔物が操られるなんて!とは思ったけどさ。
面白いことになって、結果人間が減るなら大歓迎ってわけでね!
……まあ。結局水の祝福を持つ人間は
ほとんど他の人間に殺されちゃったらしいけどね。
もっと掻き乱してくれたら面白かったのにさ。
僕達魔物というのは基本的に、魔王のもとで動くものたちだ。
なのに低級から中級ぐらいの魔物たちが、どうも不思議な動きを見せていた。
まるで何かに命令でも与えられたかのように、魔物たちが人間の街を攻め込んだんだ。
僕達にとって人間は些末なものだけど、それでも煩わしいものだった。
始末出来るものならしたい、けれども始末をするにはあいつらの貼る壁が──結界が邪魔だった。
それがどうしてか魔物たちが攻め込む時に結界は消えていて、最終的には随分な数の人間を始末出来ていたと思う。
いくつか無くなった集落もあったんじゃなかったかな?あんま僕は興味が無かったんだけどさ。
それで、なんでそんな事が起こったのかリラに聴いたんだ。
なんせリラは沢山の目を持っていて、世界の事にはとても詳しかったからね。
僕はそんなに世界まるごとには興味無くって。ほら、目の前の事が面白ければそれで良くない?
だから人間の王にちょっかいかけたりして、街がおかしくなってくの眺めて遊んだりしてるぐらいなんだけど。
閑話休題。
リラは言ったのさ、『私のお気に入りの“目”が面白いことをしてる』ってね。
きっとまた趣味の悪い話作ってんのかと思ったけど、それじゃない。
例え大魔たるリラの創ったしもべであっても、そこまで沢山の魔物に命ずることなんて出来ない。
魔物を統率できるものなんて、僕達みたいな上級の魔物か魔王様ぐらいだし。
だからさ、暇つぶしも兼ねて見に行ったんだ。
覗き見の好きな吸血鬼の話を聴いて、そいつを頼って探してみた。
魔物を操る中心に居たの、なんだったと思う?
なんと、ただの人間だったんだ!
でも、何だか不思議なにおいがした。
懐かしいようなにおいがした気がして、でもそれよりもずっと、水のにおいがした。
後から知ったよ、あれが水の祝福のにおいだって。
水の祝福を持つ人間は、面白く掻き乱して僕達の役に立ってくれるらしい。
だから僕達は容認したよ、人間に魔物が操られるなんて!とは思ったけどさ。
面白いことになって、結果人間が減るなら大歓迎ってわけでね!
……まあ。結局水の祝福を持つ人間は
ほとんど他の人間に殺されちゃったらしいけどね。
もっと掻き乱してくれたら面白かったのにさ。