RECORD

Eno.34 シャルティオの記録

会話_2


 ある日の朝。
 シャルティオの部屋にて。

「……こんなものが来たんだけど」


 シャルティオは己の従者に、
 とある電子メールを見せていた。

「……ニーズに何か起こってる?
 僕、今日はダイナー行くのやめて、
 ニーズを探しに行く、かも」


「……危険、とありますね?
 ならば私もお供致しますよ、シャル様」


「……キィルは来なくていい。
 これは僕と、友達の問題」


「主人を護るのが
 従者の役目なんですけれども〜」


 ならば、とキィランが言う。

「……遠くから見守るだけはさせて下さいましね。
 私は基本的にそちらの問題に手を出しません。
 ……よっぽどのことでも起こらない限りは


「…………勝手にして」


 シャルティオは会話を切り上げた。
 いつものダガーに目を遣り、呟く。

「もう会えないとか、
 会わない方がいいとか…………
 ニーズの、馬鹿」


「……ニーズが最近変なのは分かってた。
 何か抱えてるんだってのも分かってた。
 心配掛けたくないのも分かる、けど……」


 青い瞳の奥、静かな炎。

「…………僕は」


「──そんな風な結末を迎える為に、
 ニーズと友達になったんじゃ、ない」


 君の優しさを嬉しいと感じた。
 ダイナーのあの日常に、君の存在は不可欠だった。
 だから君を見つけ出して取り戻す。
 そのまま消えてしまうことを、僕は許さない。

「……ニーズとは戦闘になるかも知れない。
 キィル、僕が倒れちゃったら、運んでってね」


「“あの力”を使われるおつもりで?」


「そういう時の為の蝕毒の魔法だろ。
 僕は弱いから、多少は無茶しなきゃ
 “普通”にすら追い付けないんだぜ」


「…………御意」