RECORD

Eno.104 ネージュ・コルウスの記録

恋は夜空の流星のように

恋とは。

人生に光明をもたらす輝かしさと、ひとを堕落させどん底に突き落としうる厄介さを兼ね備えた、
生きとし生ける者たちの強大なエネルギー源だ。

ボクにとっては、とっても魅力的で……素敵なモノだ。
頭が心地よくふわふわとして、目に映るあらゆる存在をキラキラさせる。
現実を良くも悪くも覆い隠し、将来を無条件に明るいモノだと信じ込ませる。
冷静に考察するならば……それは最高の幻想をもたらす麻薬だ。

はっきり言おう。ボクは昔、この脳内麻薬に溺れていた時期があった。
当時のボクは気に入った子たちを口説いて回り、ボクに惹かれていく様を眺めて愉しんでいたものだ。

……後から振り返って少し呆れる程度には、ボクも大人になってしまったものだ。

何しろ、今は自分の弟子が現在進行形でこの薬の虜となってしまっているのだから!

ユートゥルナがフィーネちゃんと呑気に惚気ているうちは平和なものだ。
だが、あの子たちの間に何らかの邪魔が入るとすぐ気が立ってしまうので手が付けられない。

今はとにかく、あの子が身を滅ぼさないように見張るのが精一杯だ。
特に、最近物騒な処刑剣エクセキューターを帯刀しているのは何とかしたいのだが……。
これに関しては、自分から手放す決意をしてもらう他に手はない。

ボクは恋が魅せる幻想を、否定したいわけじゃない。
今でもその魅力は何ひとつ変わっていないしね。
けれど先述のように、戦略兵器のようなとんでもなく恐ろしいエネルギーがある。
ボクはただそのエネルギーの使い方を、誤ってほしくないんだ。