RECORD

Eno.105 《5i.残酷》の記録

幼年期

【注意】この日記には以下の要素が含まれます。
・動物の虐待
・不快感を与える描写












いつだったかしら。
小さな時のことだからあまり覚えてないのだけど、子犬を見かけて、拾った事があったの。

汚い路地で、誰がしたのかわからない。きっと遊びのつもりで工業用の廃油に投げ入れられたのだと思う。
身体中に黒い油がまとわりついて、きっと廃油を飲み込んだのかしら。何度も何度も嘔吐を繰り返す、酷い有様の子犬ちゃん。

私はその子が可哀想で、屋敷に連れて帰ったの。

パパにも内緒。御付きの誰にも内緒で。

自分の部屋のクローゼットで、必死に油を落として、ご飯を食べさせて。


三日くらい経って。
その子犬は冷たくなってた。

掃除人がそれに気づいて悲鳴を上げて。
でもパパは、怒ったりしなかったの。
みんなをたしなめて、私の頭を撫でてくれて。

どうしてあの犬を拾って、育てようとしてたのか。
泣きじゃくる私の話を、一日中聞いてくれたの。

私は何度も、何度も話したの。
一生懸命洗ったことも。ご飯を少し持っていって、食べさせようとしたことも。
服を汚してしまって、髪も汚してしまって。
ひっかかれたり噛みつかれたりしても、少しでも…って。

パパは全部、ちゃんと聞いてくれた。

















泣き疲れて眠くなった私を、パパがベッドまで連れて行って。
優しく寝かしつけながら、こう言ったの。

「3日間も苦しんだんだね、その子犬は」

って。