RECORD
Eno.68 Daliusの記録
存在しない手紙2
いつかのきみへ。
こんばんは。よい夜ですね。
おれは今日も月を見ています。
きみがいなくなってからどれくらいの年月が経ったのでしょうか。
何百か、何千か。ときを数えるのは苦手で判然としないけれど、もうずっと。
ずっと、ずっと。
孤独で、寂しくて。
寂しくて。
どうしてきみは、何も言わずにいなくなってしまったのか。
おれでは頼りになりませんでしたか。
うらみに思ったことがないと言えば嘘になります。
苦しかった。長い間ずっと。
でもね、おれも同じことをしかけてわかったんです。
おれも彼を置いていこうとしました。勝手に、それで良かれと思ったんです。
おれの役割は終わったから。彼がどう思ってるかなんて考えもしなかった。思いもつかなかった。
さいわい、きみのおかげであの頃よりは言葉が流ちょうになりました。
彼の話を聞くことができました。
おれがあのとき、きみを引き留めることができていれば。
共に抗うと伝えることができていれば。
何か違っていたのでしょうか。
彼はおれを引き留めて。
共に生きようと。それだけの覚悟があると。
言葉で、行いで、ありかたで。
手を差し伸べてくれました。
手を取るのには勇気が要りました。
でも、
でも彼は、優しくて、誠実で、信頼できるやつです。
あとは自分の心ひとつ。
彼に同じ思いをさせたくなかった。
寂しさを、埋めてくれると言った。
もう少しだけ、彼を近くで見ていたくなった。
おれは手を取りました。もう寂しくありません。
今まで心の支えになってくれてありがとう。
一緒に抗ってあげられなくてごめんなさい。
お手紙を送る機会はもうないかもしれませんが、きみとの思い出はいつもおれの中にあります。
彼に示してもらった新しい道を、ともに歩んでゆけたらと思います。
よい夢を。
あなたの怪物より
こんばんは。よい夜ですね。
おれは今日も月を見ています。
きみがいなくなってからどれくらいの年月が経ったのでしょうか。
何百か、何千か。ときを数えるのは苦手で判然としないけれど、もうずっと。
ずっと、ずっと。
孤独で、寂しくて。
寂しくて。
どうしてきみは、何も言わずにいなくなってしまったのか。
おれでは頼りになりませんでしたか。
うらみに思ったことがないと言えば嘘になります。
苦しかった。長い間ずっと。
でもね、おれも同じことをしかけてわかったんです。
おれも彼を置いていこうとしました。勝手に、それで良かれと思ったんです。
おれの役割は終わったから。彼がどう思ってるかなんて考えもしなかった。思いもつかなかった。
さいわい、きみのおかげであの頃よりは言葉が流ちょうになりました。
彼の話を聞くことができました。
おれがあのとき、きみを引き留めることができていれば。
共に抗うと伝えることができていれば。
何か違っていたのでしょうか。
彼はおれを引き留めて。
共に生きようと。それだけの覚悟があると。
言葉で、行いで、ありかたで。
手を差し伸べてくれました。
手を取るのには勇気が要りました。
でも、
でも彼は、優しくて、誠実で、信頼できるやつです。
あとは自分の心ひとつ。
彼に同じ思いをさせたくなかった。
寂しさを、埋めてくれると言った。
もう少しだけ、彼を近くで見ていたくなった。
おれは手を取りました。もう寂しくありません。
今まで心の支えになってくれてありがとう。
一緒に抗ってあげられなくてごめんなさい。
お手紙を送る機会はもうないかもしれませんが、きみとの思い出はいつもおれの中にあります。
彼に示してもらった新しい道を、ともに歩んでゆけたらと思います。
よい夢を。
あなたの怪物より