RECORD
Eno.68 Daliusの記録

ひとりの部屋で。
誰にも聞かれずに済んだ情けない悲鳴。
×××














×××
尾

「うひゃあ!」
「し、し、尻尾が……」
ひとりの部屋で。
誰にも聞かれずに済んだ情けない悲鳴。
×××

「嬉しくないの」

「いや、こういうのって心の準備ってもんがあるじゃんよ」

「あれだけ後悔していたのに」

「いや、嬉しいけどさ」
「ブランク何百年あると」

「知らないけど」

「おれが知らないからね」
「久しぶり過ぎて違和感がすごい」

――沈黙。

「残りは?」

「…………」

「……元の形に戻りたいの」

「………………」
「いや……どうだろう。まだわかんないな」

「それじゃあだめ」

「せいぜい“尻尾”が馴染むまで考えたらいい」

「どうせ異形はきみとは不可分なのだから」
×××