RECORD

Eno.105 《5i.残酷》の記録

おとぎばなし に

それはとても暑い夏の日でした。
みんなすこしぴりぴりしてるのを女の子はわかってました。
難しい話はわからないけど、外に出てはダメとお母さんには言われて。
なんで、とかって聞きたかったけど、きっと女の子じゃわからないことがたくさんあったので、「うん」とだけ返事をして。
お部屋でずっと1人、お人形と遊んでいました。

『やぁ、××××。
 1人だとつまらないと思って、少しだけだけどお話をしに来たよ』


黒いお面をつけた、背の高い大人の人は、そんな時にもやってきてくれて。
優しく微笑んで、お菓子を持ってきてくれました。

大人の人が話すには、今お外ではお家の事の相談をしてるみたいで。
それで他の人とお母さんは、ずっと困ってるらしくて。
外に出ると少し危ないかもしれないから、女の子がひとりでいると心配だから、お部屋にしまっておいてるのだ、ということでした。

女の子はそうなんだ、と思いましたが、だけどお母さんと他の人のことで、私は関係ない気がして。
それでお外に遊びに行けないということで、少しだけやだなぁ、と思いました。

そんな女の子の気持ちに気がついたのか。

『外で遊びたいかい?』

って、大人の人は声をかけてくれました。

遊びたいけれど、でも、と思ってると。

『1人で遊びに行くのがだめ、とお母様は言っていたのなら』

『私が一緒にいる分には、大丈夫なんじゃないかい?』

と、提案しました。
女の子は、確かに、そうかも!と笑顔になって。
大人の人と一緒に、お外に遊びに行くことにしました。


















その日、女の子は誰かに殴られて、蹴られて、切られて、痛いことをたくさんされて死にました。