RECORD
Eno.253 クァリの記録
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◆
銃を持った灰色の耳長は、様々な戦場に姿を見せていた。
数人から十数人まで、集団で動くのが常だった。
耳長種の形をしておいて、魔法は使わず、弓でも剣でもなく、銃器ばかり。
おかしな連中だが、貴重で高価な弾薬を一発も無駄にしない腕前。
不遜な物言いだが契約には忠実で、人道非道にも口出ししない。
却って安上がりなのだと、雇い主は下卑た声で笑う。
雇われの人間の男は黙って聞いていた。
肩を並べて戦った男は知っていた。
あの耳長然とした語り方は冗句だ。
酒を飲み交わしての砕けた口調を、憶えている。
おかしいのはそこじゃない。
ナイフすらまともに扱えないのに、銃を構えた途端に一変する気配。
敵を一掃した後の、あのどろりとした恍惚の瞳。
それを恥じ、覆い隠すかのような煙の面紗。
"シュラウド"なんて不吉な名で通るのも、納得だった。
手配書
█イ・セティア█・ブレー█ャ
違法█品の密輸入
████内乱の煽動
その他余罪の可█性アリ
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銃を持った灰色の耳長は、様々な戦場に姿を見せていた。
数人から十数人まで、集団で動くのが常だった。
耳長種の形をしておいて、魔法は使わず、弓でも剣でもなく、銃器ばかり。
おかしな連中だが、貴重で高価な弾薬を一発も無駄にしない腕前。
不遜な物言いだが契約には忠実で、人道非道にも口出ししない。
却って安上がりなのだと、雇い主は下卑た声で笑う。
雇われの人間の男は黙って聞いていた。
肩を並べて戦った男は知っていた。
あの耳長然とした語り方は冗句だ。
酒を飲み交わしての砕けた口調を、憶えている。
おかしいのはそこじゃない。
ナイフすらまともに扱えないのに、銃を構えた途端に一変する気配。
敵を一掃した後の、あのどろりとした恍惚の瞳。
それを恥じ、覆い隠すかのような煙の面紗。
"シュラウド"なんて不吉な名で通るのも、納得だった。